ネイルサロン開業費用ってどのぐらい必要?
「自分のサロンをオープンしたい!」
「サロンの開業費用ってどれぐらいかな?」
「大きな資金を用意しないと開業できないのかな?」
いざ情報を集めだすと何から始めたらいいの?
自分にできるかな?と湧き出てくる不安。
このコラムではその一つ、ネイルサロン開業する際の費用についてお伝えします。
ネイルサロン開業費用と一言で言っても、営業形態によって開業資金にも大きな差があります。
ネイルサロンの営業形態には、主に次の3つがあります。
- 自宅の一室で営業する「自宅サロン」
- マンションの一室を借りて営業する「マンションサロン」
- テナントを借りて営業する「店舗サロン」
ひとつひとつ特徴をとらえながら比較して見ていきましょう。
物件を借りるための費用
開業資金の中でも大きな割合を占めるのが、この物件を借りるための費用です。
【自宅サロンの場合】
自宅の一室をサロンとして開業する場合は、この費用をゼロに抑えることができます。
毎月の家賃もかからないですし、経費をかなり抑えながら営業することができるのが最大のメリットともいえるでしょう。
ただし、自宅が賃貸の集合住宅の場合、住居用のみ可で店舗利用は不可の物件もあるので所有者に確認が必要です。
さらに自宅が分譲の集合住宅の場合は、一室ごとに個人所有となるため、店舗利用可能かどうかの確認先は管理組合になり、認められなければ自宅サロンはあきらめて、他の営業形態に変更しなければなりません。
【マンションサロンの場合】
マンションの一室を借りてサロン運営をしていく場合は、初期費用として家賃・敷金(保証金)・礼金・仲介手数料などが必要です。
仲介手数料は家賃の1ヶ月分というところが一般的ですが、敷金(保証金)・礼金は家賃の〇ヶ月分と物件によって様々です。
例えば家賃が10万円の物件で敷金礼金が5ヶ月分と言われた場合、50万円以上は必要になります。
敷金礼金は交渉できる場合もあるので、初期費用を抑えたい場合は交渉してみましょう。
マンションサロンは自宅サロンに比べてまとまった初期費用が必要です。
せっかく借りた物件が店舗利用が不可だった場合、支払った初期費用が無駄になってしまいます。
店舗利用ができるかどうかは必ず事前に確認をとりましょう。
もしOKだった場合も、看板が出せないなど集客に影響するような条件がある場合もあるのでしっかりとした事前確認が必要です。
【店舗サロンの場合】
テナントを借りて営業する店舗サロンは、多くのお客様の目に触れやすく集客面でメリットはたくさんありますが、その分、開業費用は高くなります。
駅チカなど利便性の高い物件では1ヶ月の家賃が数十万、あるいは100万以上かかる場合もあります。
保証金や礼金などあわせると最低でも数百万は必要になるでしょう。
内装にかかる費用
物件を借りたらお客様をお迎えする準備として、次に内装費用を見ていきましょう。
内装費はあなたがどこまでこだわるかで節約もできるし、大きなコストをかけてこだわりサロンにすることもできる部分です。
【自宅サロンの場合】
自宅の一室をサロンにする場合は、内装工事に入ってもらわなくても済む場合がほとんどです。
内装、外装が気になる場合でも、開業前に施工しなければお客様をお迎えできないような状況にはないケースが多いと思います。
集客して安定して売上がたつようになってから検討しても十分間に合うでしょう。
【マンションサロンの場合】
店舗サロンと違って大きな内装工事は必要ない場合がほとんどです。
そしてマンションサロンでは壁紙や床を工事で変更してはいけない場合も多いです。
事前にきちんと確認しましょう。
もし変更可能な物件であれば壁紙がサロンコンセプトに合わない場合は部屋の広さにもよりますが、10万前後で張り替えを業者に依頼できます。
好きな壁紙を購入してDIYで自分で張り替えるサロンオーナーもいます。
いずれにしても内装費をかけてでもそのサロンを借りる条件・メリットのほうが上回るのか、借りる前に検討するといいでしょう。
【店舗サロンの場合】
店舗サロンの場合は、サロンコンセプトに合わせて自由に内装工事ができます。
自由さがある分、こだわればいくらでも内装費がかかります。
店舗サロンは大きく分けて居抜き物件とスケルトン物件があります。
居抜き物件とは、
あなたが借りる前に営業していた店舗が壁や床、備品などの設備をそのまま残した状態の物件のことです。
あなたのサロンコンセプトに合うのであれば、そのまま使うことが可能なので内装費用はかなり抑えることができます。
スケルトン物件とは、
壁や床、トイレや水回り、配線などすべてがない状態で借りる物件のことです。
実際に開業した後の導線を考えて自由に配置したり、好きな壁紙や床に変えることもできて一からサロン作りができるので「自分のお店を持った!」という満足は大きいと思います。
その分内装費用は高くなり、最低でも100万円以上は必要になります。
どの営業形態でサロンを開業するにしてもあなたのコンセプトと現実的な予算は必ず決めてスタートするほうがいいでしょう。
サロン道具や材料・備品にかかる費用
ネイルサロンの営業に必要なや材料や備品を準備します。
この費用は必要最低限のものをそろえて少額スタートも可能ですし、こだわりのものを揃えようとするとたとえ自宅サロンであっても大きな資金が必要になります。
【サロン道具や材料】
- ジェルネイル(ベース・トップジェルやカラージェルなど)
- ジェルライト
- ネイルケア用品
- ネイルファイル類
- ニッパーやプッシャー
- 消毒器
- タオルウォーマー
- コットン・ペーパー類
- ネイルパーツ
- ネイルテーブル
- ネイルチェア(お客様用)
- ネイルチェア(ネイリスト用)
- フットチェア
【備品など】
- ワゴンや棚
- テーブルライト
- スリッパ
- エプロン
- タオル類
- 時計
- 文房具
- 計算機
- トレー
- レジもしくはキャッシュケース
- お客様ドリンク
- ドリンク用カップ
- エアコン
- カルテ
【その他費用】
- ロゴ制作
- 名刺作成
- WEB関連(ホームページや予約サイトなど)
- ネイルサロン保険加入
- 音楽や映像関連(USENなど)
- 宣伝広告費(クーポンサイトやポータルサイト掲載料など)
- パソコン
- ネット環境
- カルテ管理
- 電話回線もしくは携帯電話
- スタッフ雇用するなら人件費
他にも、サロンインテリアにこだわりたいなら観葉植物やお花の演出がしたい方もいると思いますし、
アロマを炊いて癒しのサロン空間を演出したい場合はアロマ関連グッズも必要になってくるでしょう。
待合室のようなものを作る場合だと、ネイルチェア以外にもソファーのようなものを用意する必要があるでしょう。
どんなサロンにしたいのか、どんなこだわりサロンを実現したいのかによって予算は大幅に変動します。
【サロン道具や材料】は、
- どのメーカーで何色揃えるのか
- パーツはどのぐらい用意するのか
- ジェル専門サロンにするのか
- ケアメニューも取り入れるのか
- アクリルもメニューに取り入れるのか
によって予算の内訳は変わってきます。
そしてそれを決めるのは、サロンオーナーであるあなたです。
どんなサロンにしたいのか、しっかりと計画を立てて揃える必要があります。
【備品など】は、
最初から完璧な状態でなくても必要最低限だけ揃えてあとから必要と感じたものを買い揃えていっても大丈夫です。
まずは、お客様のネイル施術ができる環境を整えられたらサロンオープンできます。
他の項目の費用と照らし合わせて、どのぐらいのものを揃えるのか検討しましょう。
【その他費用】は、
項目によっては毎月請求があるものや年会費として継続的に請求があるものも含まれます。
あなたがどれぐらいの規模でネイルサロンを運営していくかをしっかり定め、毎月の固定費を考えていかなければなりません。
特に集客にかかわる費用は、費用対効果といって、広告費にいくら投資をしてどのぐらいの来店数(回収)が見込めるのか、計画を立てしっかりシミュレーションしたほうがいいでしょう。
運転資金はどれぐらい準備する?
運転資金とは、もし計画どおりに集客できなかったり、なにかアクシデントがあったとしてもサロンを存続できて、自分の生活も成り立つための資金のことです。
開業にかかわる費用だけで用意した資金を全額使ってしまうと、不測の事態に対応できません。
目安としては、月々のかかる費用と生活費を計算して、それぞれ最低でも3ヶ月分、もし余裕があれば6ヶ月~1年間分用意できるとより安心です。
自宅サロン、マンションサロン、店舗サロンそれぞれに毎月のかかるコストは違うので、ぜひご自身のサロンの状況を詳しく把握しておきましょう。
もしスタッフ雇用を考えているなら、思うようにお客様が来店されなかったとしてもスタッフの人件費は支払わなくてはいけません。
大きな資金を調達するには?
大きくネイルサロンビジネスを始めたり、会社を立ち上げたり、店舗を借りる・内装工事するなどの開業資金や事業資金が必要な場合に、創業融資による資金調達を検討する方もいるでしょう。
融資の他にも、各自治体で新規事業や女性起業に向けての補助金や助成金制度がある場合もあります。
- 日本政策金融公庫
- 銀行などの金融機関
- 自治体などの補助金・助成金
などから、自分に合った方法で資金調達をすることもできます。
融資を受けるには審査が必要です。
どれぐらい自己資金を用意しているか、事業計画書を作成し、どんな事業プランなのか、借入した場合の返済プランというものを、根拠に基づいて具体的に示す必要があります。
返済に自信がない、自宅サロンで自己資金で小さく始めたいという方は、無理に融資を考える必要はありません。
自己資金の範囲内での開業を目指してみましょう。
【営業形態別】ネイルサロン開業費用とは?
ネイルサロンを開業するための費用について自宅サロン、マンションサロン、店舗サロンの大きく3つについて詳しく書いてきました。
どこにこだわるかによって予算の幅はありますが、
【自宅サロン】…30~100万円
【マンションサロン】…200万円以上
【店舗サロン】…3~400万円以上
こだわるほどに予算は膨らみます。
この3つ以外にも、出張ネイル、他業種の店舗の一角を借りて営業する間借りサロンなど、同じネイリストでも活動の選択は多岐にわたります。
その中で、自分はどんなサロンを作りたいのかをしっかりと見つけ出すことが大切です。
サロンコンセプトや営業形態が決まれば、それに必要な予算が見えてきます。
理想と現実を冷静にとらえて無理のない計画を立てましょう。
こだわりいっぱいのサロンを作るために自分でDIYできるところは工夫したりすれば予算を抑えながらも理想に近づけるし、小さく始めて利益を出してから大きくサロンを育てることもできます。
ぜひあなたらしい素敵なサロンを作ってくださいね!