ネイルサロン開業って自分でもできる?
ネイルの勉強をしている方の中には、いつか独立して自分のサロンを持ちたい。
そんな目標をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
夢が膨らむ一方で、
- 開業するのに資格はいるの?
- 必要な届け出はあるの?
- 開業資金はどれぐらい必要?
- お客様が来なかったらどうしよう。
- どんなものを買い揃えたらいいの?
そんな不安を抱えているお声もよく耳にします。
このコラムでは、そんなあなたの不安を解決し夢への準備を確実にスタートできるよう、ネイルサロン開業について詳しくお伝えしていきます。
ネイルサロン開業に資格は必要?
ネイルサロンを開業するためにこれがないと開業できないというような資格はありません。
ですが、お客様へ安心安全な施術を行う上では基礎知識・基礎技術を身に着けておくほうがいいでしょう。
多くのネイリストが基礎知識・基礎技術を身に着けるために日々練習をし資格取得を目指しているものには、次のようなものがあります。
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JNECネイリスト技能検定(1・2・3級)
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JNAジェルネイル技能検定(上・中・初級)
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ネイルサロン衛生管理士
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JNAフットケア理論検定
安心した技術を提供するためにも、お客様からの信頼を得るためにも、自分に自信をつけるためにも資格取得しておくことはメリットがありますので、あなたの進みたい道に必要だと思うものがあれば、ぜひチャレンジしてみるといいでしょう。
ネイルサロン開業に届け出は必要?
ネイルサロンは同じ美容業種の美容室やまつエクとは異なり、保健所への届け出は必要ありません。
(2020年7月現在)
ネイルサロンを開業するということは所得を得るということ。
ある程度売上が上がり経費を差し引いても一定の利益がある場合には納税の対象になりますので管轄の税務署に「個人事業開業届」を提出する必要があります。
必要な情報を書いて提出するだけですのであまり難しく考えなくても大丈夫です。
「個人事業開業届」は国税庁ホームページからダウンロードできますし、どうしてもわからない場合は管轄の税務署に相談をしてみましょう。
開業届を出すメリットとしては、青色申告で確定申告ができるということ。
原則としては開業して1か月以内に開業届を届け出ることになっていて、もし1か月を過ぎていてもペナルティがあるわけではありません。
青色申告は最大65万円の控除が受けられたり、赤字の繰り越しができたり、節税できるメリットがあります。
順調に売上が上がることを考えると節税のためにも青色申告がいつでもできるように、忘れないうちに開業届を提出しておくといいでしょう。
あと、届け出というものではありませんが、万が一お客様にけがをさせてしまったり、ジェルやドリンクをこぼしてしまい大切なお洋服やバックを汚してしまうトラブルが起こることを想定して、ネイルサロンに特化した保険に加入しておくと安心でしょう。
ネイルサロンの営業形態はどうする?
ネイルサロンをどのような形で営業するかで、準備や必要経費が変わってきます。
一般的には以下のようなものがあります。
店舗サロン(マンションの1室やテナントサロン)
店舗サロンだと初期費用や毎月の固定費は大きくなりますが、自宅とは違うスペースで仕事ができることでプライベートと仕事の切り替えができたり、住所公開などの抵抗も少ないというメリットもあります。
自宅サロン
自宅サロンだと、初期費用や毎月の固定費を抑えることができ、通勤時間がない分、家事育児との両立がしやすいというメリットがあります。
その反面、自宅にいろんな人を呼ぶことや住所公開に抵抗がある、家族の反対があって踏み切れない、生活感が出るのがいやだという方もいらっしゃいます。
間借りサロン(美容室などの一角を借りるなど)
間借りサロンは店舗サロンに比べて固定費が安い傾向にはありますが、一角をお借りしているのでオーナーさんの大切にしているコンセプト(外観・内観)などは自分のコンセプトに寄せられなかったり、営業時間や定休日なども自分の思うように設定できない場合もあります。
出張ネイル(お客様のご自宅やレンタルスペースなどに出向く)
店舗を持たず、お客様のご要望・ニーズに合わせた場所での施術で活動することができます。
小さなお子さんがいたり、ご家族の介護などで気軽にネイルサロンへ出向くことができないなど、求めていらっしゃるお客様には大変喜ばれるでしょう。
出張に行く際の手段(車やバイク、もしくは電車など)によっては運べる荷物に限りがあり、用意しているものでは急なメニュー変更に対応できなかったり、移動時間を考えて予約から予約の間をとらなければいけなかったり、大変さもあります。
どれもメリット・デメリットがあるので、あなたに合った営業形態をじっくり検討しましょう。
開業資金はいくらぐらい必要?
先ほどお伝えした通り、営業形態によって必要な開業資金は異なります。
一般的には店舗型の場合、規模にもよりますが200万円~、内装にもこだわりたい、駅チカの物件がいいとなるともっと大きな資金が必要になります。
自宅サロンの場合は、少額でスタートできます。
20~50万円ぐらいあればいろいろなものが揃えられると思いますが、中には本当に必要最低限のもので5万円で始めたという人もいますし、自宅でも内装や備品にこだわれば50万円を超える方もいるでしょう。
ちなみに筆者は小さな店舗サロンで15万円で開業しました。
自分の予算に合わせて開業ができるのがネイルサロンの独立の魅力なので、自己資金ですべてまかなうのであればあなたに合った予算を一度計算してみましょう。
開業資金を調達するのに、融資を受けるという選択肢もあります。
一般的には日本政策金融公庫や金融機関からの融資を受ける方法があります。
融資なのでもちろん審査もありますし、現実的な返済計画も必要です。
きちんと明確なビジョンを提示する資料(事業計画書)など、準備が必要になります。
あとは、お住いの地域で女性を支援したり、新規開業を応援するような助成金など申請できるものがあるかもしれません。
まずはどのような制度があるのか、情報収集をしてみてはいかかでしょうか。
事業計画書は必要?
融資のお話の際少し触れましたが、融資を受けなければ事業計画書は必要ないのか?というと、サロン開業に絶対必要な書類ではありません。
ですが、書けるなら今後のあなたのサロンの成長のためにも書いておかれるといいでしょう。
事業計画書には具体的にどのようなことを書くのかというと、
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屋号
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売上計画
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経費(開業時・毎月の固定費)
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収支計画
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集客方法
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出店予定地
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営業形態
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創業の動機
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商品・サービス内容
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予算
など、なぜその事業を立ち上げ、どのようなサービスをどのような方にお届けすることで社会貢献していくのか、第三者が見ても一目でわかるように書いていきます。
独立しようと思ったとき、何から始めていいのかわからなくなったり、調べているうちに本当に必要な予算を一時見失ったり、そもそもなぜその事業を立ち上げようと思ったのか、動機がぶれてくることがあります。
ですが、事業計画書を書いておくと、ご自身のネイルサロン開業の意義を見つめなおすこともできますし、本当に今必要なものは何なのかを見極めて行動ができます。
融資を受ける・受けないにかかわらず、一度ご自身の思い、考えを事業計画書にまとめておくと「経営者の視点」を持つことができるのでおすすめです。
特に「創業動機が重要」だと思います。
サロンコンセプトが決まったら?
どんなサロンにするのか、サロンコンセプトを決めましょう。
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ターゲット層
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喜ばれるメニュー作り
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価格設定
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サンプル作り
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宣材写真(サロン内・外観やサンプル)
などを、すべてはサロンコンセプトに沿ったものを用意していきましょう。
あなたはどんなお客様に来ていただきたいですか?
未来のお客様を想像して、そこにあなたの大事にしたい世界観、こだわりを詰め込んでいきましょう。
具体的な集客方法とは?
集客方法にはオンライン(web)集客とオフライン(リアルで行うもの)集客があります。
オンライン集客
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各種SNS(InstagramやFacebookなど)
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ブログ
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ホームページ
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Googleマイビジネス
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クーポンサイト
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公式LINE
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メールマガジン
オフライン集客
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チラシ
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新聞折込
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ポスティング
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ダイレクトメール
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広告掲載(フリーペーパーなど)
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知り合いのお店にチラシを置かせてもらう
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紹介
などがあります。
今はwebを使った集客でオフライン集客では考えられないほどのスピードで大勢の方にあなたのサロンの情報を届けることができる時代です。
うまく活用してサロンオープン前にはご予約が入っている状態を作ることが大切です。
もちろんまだまだオフライン集客も有効です。
あなたのサロンコンセプトを魅力的に伝えたチラシを地域のお宅へポスティングしたり、お知り合いに声をかけて紹介をしてもらったり、地道な作業ですがコツコツと続ければずっと通ってくださる顧客様に出会えるチャンスは必ずあります。
ぜひオンラインもオフラインも両方取り組んでみて、あなたのサロンに合った集客法を見つけましょう。
具体的に用意するものは?
では具体的に用意していくものをピックアップしていきましょう。
各サロンによって少し違いがありますが、一般的なものとしては
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ネイルテーブル
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ネイルチェア(お客様)
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ネイルチェア(ネイリスト)
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収納(チェストやワゴンなど)
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テーブルライト
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スリッパ(お客様)
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スリッパ(ネイリスト)
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エプロン
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ネイル用品(ジェルネイルやジェルライト、ニッパー、パーツなど)
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名刺
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ロゴ
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ゴミ箱など備品
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事務用品(筆記用具や電卓)
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レジもしくはキャッシュケース
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釣り銭トレー
あとは香りの演出をしたいならアロマ。
贅沢なひとときのために美味しい飲み物で演出したいならウエルカムドリンクなど、あなたのサロンにあったものを用意しましょう。
最初からすべて完璧にしなくても開業はできます。
大きな資金で大きく始めることも可能ですし、低資金でスタートできるのも「ネイルサロン開業」の魅力です。
コンセプトも大事ですが予算も大事。
計画性をもって揃えていきましょう。
そして、わからないことが出てきたらまず検索をして調べてみる。
これも経営者になるには必要な要素なので、つまづいても大丈夫。
なにか困ったことがあれば自ら調べ、前を向いて行動し、一つ一つ解決していきましょう。
今うまくいっているネイルサロンもみんなそのように一歩ずつ進んできたのですから。
あなたにも必ずできます。
頑張ってくださいね。応援しています。